古くて素敵なクラシック・レコードたち: 村上春樹の音楽世界への招待
聴く喜び、そして語る喜び
村上春樹氏がこよなく愛するクラシック音楽。本書は、長年培ってきた深い音楽観を、百曲以上の名曲を通して語った、珠玉のエッセイ集です。LPレコードの温かい音色とともに、村上氏の音楽への情熱、そして作品への影響を感じ取ることができます。
名曲と作家が織りなすハーモニー
本書は、単なる音楽解説にとどまりません。村上氏は、楽曲の魅力だけでなく、作曲家の人生、時代背景、そして自身の音楽体験を交えながら、それぞれの曲に新たな光を当てます。彼の鋭い洞察力と豊かな表現力は、音楽をより深く理解し、楽しむための新たな視点を与えてくれます。
音符が奏でる文学の世界
村上氏の作品には、クラシック音楽が頻繁に登場します。本書では、彼の作品における音楽の役割、そして音楽と文学の関係についても触れられています。音楽と文学、二つの異なる世界がどのように交差し、新たな深みを生み出すのか、その興味深い考察は、読書体験をさらに豊かなものにしてくれるでしょう。
音楽愛好家のための必読書
本書は、クラシック音楽ファンはもちろん、村上春樹作品の愛読者にとっても必読の書と言えるでしょう。音楽、文学、そして人生についての深い洞察に満ちた一冊は、あなたの心を豊かにし、新たな発見へと導いてくれることでしょう。
大学時代のアメフト部のメンバーとの定例の飲み会の後、哲郎は10年ぶりに会った元マネージャーの美月にある秘密を告白される。そして、その秘密は思いもかけない形でメンバーに影響を与えていく…。導入部分から読み手をぐいぐい引っ張り込み、途中で急に視点が変わるストーリー展開は、日常的な場面から少し現実離れした設定へと読者を取り込んでいく東野圭吾の得意技。そして、なにげない描写に隠された伏線が予期せぬエンディングへと結びついていく。アメリカンフットボールのポジションの役割を簡単にでも把握しておくとさらに楽しめるに違いない。
学園モノ、刑事モノ、サスペンス、パロディ、本格推理と発表するごとに作風が変化する東野圭吾作品は素材にも工夫が凝らされており、『変身』では「脳移植」、『パラレルワールド・ラブストーリー』では「記憶」、そして本書では「性同一性障害」と常に新しい事柄を題材に取り入れ続けている。
血液型性格診断を信じている人は多い。…しかしそういう人たちでも、日常生活で血液型によって相手を差別するということは殆どない。…ではなぜ多くの人は、性染色体のタイプには縛られるのだろう。XXであろうとXYであろうと、あるいはそれ以外のものであろうと、人間には変わりがないという考え方がなぜできないのだろう。
文字だけのシンプルなカバーをめくると、作品のテーマに通ずる絵が施されている。読んでから見るか、見てから読むか。それによって、作品の読み方も変わってくることだろう。(つちだみき) --このテキストは、単行本版に関連付けられています。
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