千歳くんはラムネ瓶のなか 5 - Chitose-kun Wa Ramunebin No Naka 5 (Light Novel)
いつかきっと、この日々を思い出す。
夏休み。藤志高では恒例の、2・3年合同の勉強合宿。
と言っても、2年生の俺たちにとっては、仲間たちと夏のイベントを楽しむいい機会だ。
どこまでも青い空と海。色とりどりの女子の水着。夜、ふたりきりのナイショ話。男だけの温泉回(?)……。
眩しい光景を見つめながら、あるいは目をそらしながら。
俺たちは、こぼれ落ちそうな思い出を、ポケットいっぱいに詰め込んでいく。
――なにかが変わる夏が、賑やかに密やかに、幕を開けた。
千歳くんはラムネ瓶のなか 7 - Chitose-kun Wa Ramunebin No Naka 7 (Light Novel)
色のない九月。色めく私たちの望み。
「1年5組の望紅葉です。よろしくお願いします」
夏休みが明けて、九月。
藤志高祭に向けた準備が始まった。校外祭、体育祭、文化祭が連なる、高校生活でもとびきり華やかなイベントだ。
俺たちは青組の応援団に立候補し、グループパフォーマンスを披露する。
夏でも秋でもない、あわいの季節。
俺たちは時間と追いかけっこしながら、おだやかな青に染まっていく――。
千歳くんはラムネ瓶のなか 6 - Chitose-kun Wa Ramunebin No Naka 6 (Light Novel)
私を見つけてくれて、ありがとう
すべては変わってしまった。
唐突に、劇的に。どうしようもないほど残酷に。
けれど、ひとりで塞ぎ込む時間を、彼女は与えてくれなかった。
「あの日のあなたがそうしてくれたように。今度は私が誰よりも朔くんの隣にいるの」
――1年前。まだ優空が内田さんで、俺が千歳くんで。
お互いの“心”に触れ合ったあの日。俺たちの関係がはじまったあの夜を思い出す。
優空は言う。
「大丈夫、だいじょうぶ」
月の見えない夜に無くした何かを、また手繰りよせられるというように。
……俺たちの夏は。まだ、終わらない。
千歳くんはラムネ瓶のなか 3 - Chitose-kun Wa Ramunebin No Naka 3 (Light Novel)
「君」にさよならを。
6月の進路相談会で顔を合わせて以来、俺と明日姉は学校でも会うようになった。
まるでデートのように出かけることも増え、俺は嬉しい反面……どこか切なさにも似た感情を抱えていた。
それがひどく身勝手なものだということも理解しながら。
明日姉は、東京にいく。物語を「編む」人になるために。
俺は、笑顔でこの人を送り出せるだろうか――。
大人気“リア充側”青春ラブコメ、第3幕。
遠い夏の日。君とまた会えますように。
千歳くんはラムネ瓶のなか 2 - Chitose-kun Wa Ramunebin No Naka 2 (Light Novel)
それは、ニセモノの恋の物語。
「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」
面と向かって女の子にこんなことを言われたら、大概悪い気はしないだろう。それが、七瀬悠月のようなとびっきりの美少女ならなおさらだ。
でも、うまい話には大概裏がある。
美しい月の光が、ときに人を狂わせるように。
これは、そうして始まった、俺と七瀬悠月の偽りの恋の物語だ。
――人気沸騰の“リア充側”青春ラブコメ、待望の第2弾登場!
千歳くんはラムネ瓶のなか 6.5 - Chitose-kun Wa Ramunebin No Naka 6.5 (Light Novel)
ばいばい、恋した一度きりの夏。
「ばいばいみんな、また二学期にな」
それぞれの思いが花火のように夜空を染めた夏。
少女たちは、再び手を伸ばす。
心の奥に沈む、大切な月を掬えるようにと。
熱く駆けぬけた季節を終わらせ、もう一度歩き出せるようにと。
終わりはきっと、なにかの始まりだから。
短夜を彩る珠玉の「長篇」集。
――だから、ばいばい、人生で一度きりの夏。
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